選び方・比較

複数拠点の警備委託を比較する方法|条件のそろえ方

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

複数拠点の警備委託は、全拠点で共通にする条件と、施設ごとに残す条件を分けてから比較します。施設名を並べるだけでは、利用時間、出入口、担当する役割、連絡方法の違いが見えません。共通条件と固有条件を同じ表で区別すると、発注者が確認する範囲を共有できます。

一括で管理するか、拠点ごとに扱うかの優劣を決める前に、対象施設と書面の記載を対応させることが大切です。比較表は候補に点数を付けるためではなく、各拠点の条件を同じ順番で確認するための台帳として使います。

複数拠点の警備委託で整理する前提

複数拠点を扱う場合は、すべての拠点を同じ条件として扱わず、共通にできる項目と個別に確認する項目を分けます。対象施設、時間帯、出入口、担当する役割、報告、連絡方法を並べ、どこまでが共通でどこからが施設固有かを記録します。

区分全拠点でそろえる項目拠点ごとに残す項目
対象施設名の管理方法棟・区画・出入口
時間時間帯の表記方法利用時間・無人時間
連絡連絡項目の並び連絡担当と連絡条件
複数の受付カウンターと施設台帳で拠点条件を整理する図
複数の受付カウンターと施設台帳で拠点条件を整理する図

全拠点で共通にする条件を決める

全拠点で共通にする条件は、対象施設、時間帯、担当する役割、報告、連絡方法のように、同じ順番で確認できる項目です。表の見出しを共通にしておくと、拠点ごとの書面を読む際に、どの項目を照合するかをそろえられます。共通化は、施設ごとの違いを消すためではなく、違いを見つけやすくするために行います。

たとえば連絡方法なら、連絡を受ける担当、連絡が必要になる条件、対象となる施設を同じ欄に置きます。担当者や対象が異なる場合は、固有条件として別欄に残します。全拠点で同じ言葉を使えるよう、施設側の管理区分に沿って見出しを決めることが重要です。

拠点ごとに残す条件を決める

拠点固有の条件には、出入口の使い方、利用時間、無人になる時間、対象区画、連絡担当などがあります。同じ用途の施設でも、来訪者の動きや搬入の場面が異なることがあります。共通項目に無理に合わせず、何が異なるかを別欄に残すと、書面と運用を対応させやすくなります。

固有条件は、長い説明文にせず、対象施設と時間帯に結び付けて記載します。拠点名、出入口、対象範囲、連絡方法を同じ行に置くことで、どの条件に関する記載かを追えます。変更がある場合も、影響する拠点だけを見直せるため、確認の漏れを減らせます。

入退館ゲートと入館証の台帳で拠点固有条件を示す図
入退館ゲートと入館証の台帳で拠点固有条件を示す図

比較表を作る手順

比較表を作るときは、各拠点の条件を共通の見出しで並べたうえで、固有条件を別欄に残します。対象施設と時間帯、報告と連絡方法を同じ順番で確認すれば、書面にある記載を対応させる手順を共有できます。

対象施設と時間帯をそろえる

対象施設は、施設名だけでなく、棟、区画、出入口など、発注者側で確認する範囲と対応させます。複数拠点を一つの行にまとめると、書面の対象がどこを指すか分かりにくくなります。施設ごとに行を分け、共通にする見出しと固有の対象範囲を記載します。

時間帯も、開閉の時刻だけではなく、最終退出、搬入、無人になる時間など、確認が必要になる場面と結び付けます。拠点によって利用時間が異なる場合は、別の時間帯として記載します。対象施設と時間帯を対応させることで、書面を読む条件をそろえられます。

報告と連絡方法をそろえる

報告と連絡方法は、どの拠点でも同じ形式で確認できるよう、連絡を受ける担当、対象となる事象、時間帯、記録の扱いを分けます。拠点によって担当が異なる場合は、連絡先だけを一覧にせず、対象施設の行と対応させます。報告の扱いも、確認した対象範囲が分かる形で残します。

書面にある連絡や報告の記載は、表のどの項目と対応するかを確認します。施設側の運用と書面の表現が異なる場合は、どの拠点・時間帯の違いかを記録します。共通の見出しを使っていても、固有条件を消さないことが、比較表を読むうえでのポイントです。

無線機と報告書類を複数拠点の連絡表に対応させる図
無線機と報告書類を複数拠点の連絡表に対応させる図

契約前に確認すること

契約前には、拠点別の書面を比較表の対象施設と対応させます。対象範囲や時間帯が異なる場合は、どの記載を読むかを施設ごとに分けます。拠点数の多さを理由に確認項目を省かず、共通項目と固有項目を同じ順番で確かめます。

拠点別の書面を対応させる

書面にある対象施設、業務内容、時間帯、連絡や報告に関する記載を、拠点ごとの表と照合します。施設名の表現が異なる場合は、どの棟・区画・出入口に当たるかを対応表に残します。書面を一括で読むのではなく、拠点ごとに確認することで、対象範囲の取り違えを防げます。

共通条件として確認する項目も、施設ごとの書面にある記載を確かめます。すべての拠点で同じ内容と決めつけず、対象と時間帯が対応しているかを見ます。読み合わせが必要な箇所を一覧にしておくと、施設管理・総務購買の担当間で確認内容を共有できます。

変更時の確認方法を決める

拠点の追加、出入口の変更、利用時間の見直し、連絡担当の変更があれば、比較表と書面を照合します。変更する拠点だけを把握できるよう、表には施設名と対象範囲を明確に残します。共通条件に影響する変更と、固有条件だけに影響する変更も分けます。

変更時の確認は、特定の手順を記事で決めるものではありません。現在の対象施設・時間帯・連絡方法が書面の記載に対応しているかを確かめるための整理です。変更内容と確認する書面の箇所を同じ表に置き、関係者で読み合わせる準備をします。

拠点別の表では、対象施設、時間帯、役割、報告、連絡方法を共通の見出しで確認し、出入口や利用時間などの違いは固有条件として別欄にします。共通項目をそろえても、書面を拠点ごとに対応させることで、確認の対象を取り違えにくくなります。

確認の途中で変更が見つかったときは、以前の条件を上書きして消すのではなく、現在の対象と照合する書面の箇所を別欄に記録します。施設側で判断する事項と連絡を受ける担当を分けておくことで、関係者が同じ前提で確認できます。比較の結論だけでなく、確認した条件そのものを残すことが、次回の見直しに役立ちます。確認表は、結論だけでなく確認の根拠となる条件を残し、次に見直す際の共通の材料として使います。

契約書面と複数施設の台帳を照合する発注者の図
契約書面と複数施設の台帳を照合する発注者の図

まとめ

複数拠点の警備委託は、全拠点で共通にする条件と、施設ごとに残す条件を分けてから比較します。対象施設、時間帯、役割、報告、連絡方法を同じ順番で置き、書面の記載を拠点ごとに対応させることで、発注前の確認を共有できます。

拠点別の表は、共通項目を増やすためではなく、違いを確認できる状態にするためのものです。出入口、利用時間、対象区画、連絡担当のような固有条件を、対象施設の行に対応させて残します。書面にある対象施設・業務内容・連絡に関する記載も同じ行で参照できれば、追加や変更があった拠点だけを読み合わせられます。

比較の対象が増えた場合も、施設名だけでまとめず、対象範囲と時間帯を別に確認します。共通条件と固有条件を分けておくことで、同じ見出しの下に異なる施設運用を混ぜず、発注者側で確認する内容を共有できます。

拠点別の確認では、対象施設、棟・区画、出入口、利用時間、担当する役割、報告、連絡方法を同じ順番に置きます。共通項目をそろえたうえで、拠点固有の対象範囲や連絡担当を別欄にします。書面の対象施設・業務内容・連絡に関する記載を各行に対応させれば、どの拠点でどの確認が必要かを追えます。

施設の追加や運用の変更がある場合は、共通条件に影響する項目と、その拠点だけに関する項目を分けます。変更した対象、時間帯、連絡方法、書面の参照箇所を残すことで、現在の条件と書面を読み合わせる準備になります。

拠点別の表を確認する際は、対象施設、出入口、時間帯、役割、報告、連絡方法を共通の並びで読みます。拠点固有の条件は別欄に残し、書面の対象施設・業務内容・連絡に関する記載がどの行に関係するかを対応させます。変更が起きた拠点では、現在の条件と書面の該当箇所を照合します。

見積条件の整理は警備の見積比較条件、仕様の確認は警備サービスの仕様書ガイド、方式の見方は有人警備と機械警備の違い、関連する記事は警備の選び方で確認できます。

よくある質問

Q. すべての拠点を同じ条件にする必要がありますか
共通にする条件と、施設ごとに残す条件を分けて整理します。対象施設、時間帯、担当する役割、報告、連絡方法は同じ見出しで確認し、出入口や利用時間などの違いは固有条件として別欄に置きます。違いを消さずに対応関係を残すことが大切です。
Q. 比較表に入れる項目は何ですか
対象施設、時間帯、担当する役割、報告、連絡方法を入れます。加えて、棟・区画・出入口、利用時間、連絡担当などの固有条件を別欄に残します。書面の該当箇所を参照できる欄を作ると、拠点ごとの記載を読み合わせやすくなります。
Q. 拠点ごとに書面を確認しますか
拠点ごとの対象条件と書面の記載を対応させて確認します。施設名だけでなく、対象範囲、時間帯、連絡方法がどの記載に当たるかを表で確かめます。共通項目があっても、施設固有の条件を別行に残すと、確認した内容を共有できます。

出典

本記事の出典は に内容を確認しています。

  1. 1.
    警備業法(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
    警備業法施行規則(laws.e-gov.go.jp)