選び方・比較

巡回警備と機械警備の違い|発注前に整理する確認項目

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

9分
目次

巡回警備と機械警備は、名称だけで選ばず、確認したい対象範囲、現地で必要な確認、異常時の連絡方法を分けて比べます。発注者が整理すべきなのは、巡回が必要かどうかという一語の結論ではなく、どの場所を、どの時間帯に、どのような条件で確認する必要があるかです。

施設の使われ方や出入口の運用は一律ではありません。対象範囲と確認の契機を表に置き、契約前の書面にある対象施設、業務内容、連絡方法と照らすことで、検討の前提を共有しやすくなります。

巡回警備と機械警備の考え方

巡回警備は、定めた対象を現地で見回して確認する条件を整理する考え方です。機械警備は、機器からの情報を受ける対象と、その後の連絡や対応の体制を確認します。どちらも施設側が何を確認したいかから読み始め、方式名を先に判断材料にしないことが重要です。

整理する軸巡回警備で確認すること機械警備で確認すること
対象範囲現地で確認する場所機器が把握する場所
確認の契機利用時間や運用上の場面情報を受ける条件
書面の確認担当範囲と報告対象施設と連絡体制
懐中電灯を持つ巡回と防犯カメラで確認対象を分ける図
懐中電灯を持つ巡回と防犯カメラで確認対象を分ける図

確認する対象範囲を分ける

最初に、施設内外のどこを確認対象にするかを書き出します。出入口、受付周辺、共用部、保管場所などを同じ大きさの項目として並べると、対象の抜けや重なりを確認できます。巡回では現地で見る場所、機械警備では機器が把握する対象を対応させ、どちらの欄にも入らない場所がないかを確かめます。

対象範囲は施設名だけで完結させず、運用上の区分と結び付けます。複数の棟やフロアがある場合は、共通の確認項目と施設ごとの条件を分けて記載します。対象を細かくし過ぎる必要はありませんが、書面にある範囲と施設側の呼び方を照合できる程度にそろえることが大切です。

現地で必要な確認を分ける

現地での確認には、見回り、出入口の状況確認、鍵の確認、異常があった場合の連絡など、異なる内容が含まれます。巡回という言葉だけでは何を確認するのか伝わりにくいため、確認したい事項を場所と場面に分けます。施設側が判断する事項と、警備側から連絡を受ける事項も別の欄に置きます。

利用者がいる時間と無人になる時間では、同じ場所でも確認の意味が変わります。時間帯ごとに対象を記載し、最終退出後や休日に確認する事項を混ぜないようにします。現地確認が必要な理由を抽象的にせず、施設側の運用とつながる表現にすると、書面の業務内容を読み合わせやすくなります。

鍵とキーボックスを確認する巡回場面を示す図
鍵とキーボックスを確認する巡回場面を示す図

発注条件を整理する方法

発注条件は、対象範囲、時間帯、確認の契機、連絡先を同じ表に並べると比較しやすくなります。対象が同じでも、利用時間や現地で必要な確認が異なれば、同じ条件とはいえません。施設ごとの違いを明記し、書面の記載と照合するための基準として使います。

利用時間と確認の契機を整理する

利用時間は、開館・閉館の時刻だけでなく、出入口の利用、搬入、最終退出など確認が必要になる場面と結び付けて整理します。決まった回数を一般化するのではなく、どの場面で現地確認が必要か、どの情報を受けたときに連絡が必要かを施設側で記録します。これにより、巡回と機器の対象を同じ軸で見られます。

予定変更がある施設では、通常の時間帯と変更時の扱いを区別します。変更の連絡を受ける担当、変更後に見直す対象範囲、書面のどの記載を確認するかを表に残します。利用時間を整理する作業は、方式の違いを比べる前に、発注条件の言葉をそろえる作業でもあります。

連絡先と報告の扱いを確認する

連絡先は、異常があった場合に連絡を受ける人だけでなく、施設側で確認を行う担当とともに整理します。時間帯で連絡先が変わるなら、その条件を対象施設と対応させます。連絡方法を一つの欄にまとめず、誰に、どの場面で、何を伝えるかを分けると、書面の記載と照合しやすくなります。

報告は、対象範囲や確認した内容と結び付けて確認します。報告の方法と、異常時の連絡を同じ意味として扱うと、必要な情報を探しにくくなります。施設側が確認したい事項、警備側から受ける情報、書面にある連絡の記載を並べ、読み合わせる順番を決めましょう。

無線機と報告書類で連絡と報告を分ける図
無線機と報告書類で連絡と報告を分ける図

比較表に残す項目

比較表には、候補の評価を急ぐための点数ではなく、書面と施設運用を照合するための項目を残します。対象範囲、時間帯、確認の契機、連絡方法、報告の扱いを同じ並びで置くと、施設ごとの条件が見えやすくなります。

施設ごとに異なる条件を分ける

複数の施設を管理している場合は、すべてを共通条件にまとめず、施設ごとに異なる出入口や利用時間を別欄に残します。共通にできる項目と個別に確認する項目を分けることで、比較表の行が長くなり過ぎることを防げます。対象施設と対象範囲を対応させ、変更が起きた施設だけを見直せる形にします。

たとえば同じ用途に見える施設でも、受付の有無、来訪者の動き、無人になる時間は異なります。類似しているという印象だけで統合せず、確認したい対象と連絡方法が同じかを確かめます。施設側の管理区分に沿って整理することで、書面にある対象施設の表記も読み取りやすくなります。

書面で確認する項目を対応させる

比較表の各行には、契約前に確認する書面の記載を対応させます。対象施設、時間帯、業務の範囲、連絡や報告に関する項目が、施設側の表と同じ対象を指しているかを確認します。記載が抽象的な場合は、どの場所や時間帯に当たるかを施設側の管理表で確かめます。

書面の内容を読む担当と、現場運用を知る担当が異なる場合は、表を共通の確認材料にします。片方だけが持つ情報で結論を出さず、対象、時間、連絡方法を一つずつ読み合わせます。必要な確認を同じ条件で行うための表として使うことで、巡回警備と機械警備の違いを落ち着いて整理できます。

巡回で確認する場所と、機器が把握する場所は、同じ施設内でも別の条件として表に残します。出入口、鍵、対象区画、利用時間、報告と連絡の扱いを対応させることで、巡回という名称だけでは見えない確認範囲を読み合わせられます。条件の違いは、施設側の管理区分に沿って別行にします。

確認の途中で変更が見つかったときは、以前の条件を上書きして消すのではなく、現在の対象と照合する書面の箇所を別欄に記録します。施設側で判断する事項と連絡を受ける担当を分けておくことで、関係者が同じ前提で確認できます。比較の結論だけでなく、確認した条件そのものを残すことが、次回の見直しに役立ちます。確認表は、結論だけでなく確認の根拠となる条件を残し、次に見直す際の共通の材料として使います。

契約書面と施設図で対象範囲を対応させる図
契約書面と施設図で対象範囲を対応させる図

まとめ

巡回警備と機械警備は、対象範囲、現地で必要な確認、利用時間、連絡と報告の扱いを分けて検討します。方式の名前を先に選ばず、施設側の運用と書面の記載を同じ表で照合することが、発注条件を整理する土台になります。

表を見直す際は、対象範囲だけでなく、確認の契機と連絡後に施設側が確認する事項も対応させます。出入口の利用、最終退出、無人になる時間などを別行にすれば、巡回で確認する対象と機器から情報を受ける対象を、同じ条件として扱わずに整理できます。書面の該当箇所も残しておくと、担当者が変わっても確認の前提を引き継げます。

確認の契機は、通常の利用時間だけでなく、出入口の利用が変わる場面や、施設側で連絡担当が変わる場面と対応させます。巡回で現地を見る対象、機器が情報を受ける対象、報告を確認する対象を分けることで、同じ施設でも異なる条件を一つの行にまとめずに済みます。表に書面の参照箇所を残せば、対象範囲と連絡方法を読み合わせる準備になります。

複数の施設がある場合は、共通の見出しと施設固有の条件を分けます。施設名、出入口、時間帯、確認する対象、連絡先を同じ順番で置くと、どの書面の記載を確認するかを追えます。方式を選ぶための印象ではなく、発注者側で確認する条件を共有する材料として表を使います。

変更時には、対象範囲、時間帯、確認の契機、連絡方法を分けて見直します。書面の記載を参照できる状態にしておけば、現地で確認する事項と情報を受ける対象を、現在の施設条件と対応させて確認できます。

比較の基準は有人警備と機械警備の違い、仕様の整理は警備サービスの仕様書ガイド、選定時の確認は警備会社の選定ポイント、関連する記事は警備の選び方とサイトポリシーで確認できます。

よくある質問

Q. 巡回警備と機械警備は併用できますか
併用の可否を一般化せず、対象範囲と時間帯が書面で分かれるかを確認します。現地で確認する場所と機器が把握する対象を表に置き、重なる部分と異なる部分を読み取れるようにします。異常時の連絡方法も対象ごとに分けると、施設側で確認したい条件を整理できます。
Q. 巡回の回数はどう決めますか
固定的な回数を示さず、対象範囲と確認したい事項を整理して契約条件を確認します。利用時間、出入口、無人になる時間、鍵や設備の確認が必要な場面を分け、書面にある業務内容と対応させます。施設ごとの運用が変わる場合は、見直す項目と担当も残します。
Q. 比較表には何を入れますか
対象範囲、時間帯、連絡方法、報告の扱いを並べます。加えて、現地で確認する事項と機器からの情報を受ける対象を分けると、名称だけでは分からない条件を読み取れます。書面の記載を確認する欄も置き、施設側の表と対応しているかを確かめます。

出典

本記事の出典は に内容を確認しています。

  1. 1.
    警備業法(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
    警備業法施行規則(laws.e-gov.go.jp)