建築保全業務労務単価の警備員区分|参考単価の読み方
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
建築保全業務労務単価の警備員区分は、官庁施設の積算に使う参考単価であり、民間の価格そのものではありません。本記事では、施設警備(警備業法第2条第1項第1号の警備業務のうち、警備業務用機械装置を使用しないもの。以下「施設警備」)を念頭に、全国平均や区分の説明を個別地域や個別契約の価格に置き換えずに読みます。
国土交通省の資料は、国の建築物等の保全業務を委託する際の積算のために使われる参考単価を示しています。警備業務を実施するのは認定を受けた警備業者であり、当サイトは比較・情報提供を行います(出典:警備業法(昭和47年法律第117号)第2条第3項・第4条、確認日2026-09-05)。
建築保全業務労務単価とは
建築保全業務労務単価とは、各省各庁が国の建築物等の保全業務を委託する際に、費用を積算するための参考単価です。国土交通省が毎年通知するもので、建築保全業務共通仕様書を適用する業務について、積算基準と積算要領により費用を積算するために使われます(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」、確認日2026-09-11)。

官庁施設の積算における位置付け
この単価は、官庁施設の保全業務を委託するときの積算に用いる参考単価です。民間の施設警備の取引価格や、個別の見積金額そのものを示すものではありません。発注者が民間見積を読む際には、単価の用途を確認した上で、対象施設、人数、時間帯、担当業務などの条件を別に整理します。
令和8年度の資料は、全国10地区・3職種別に単価を設定しています。警備員は3職種の一つであり、全国平均は17,040円です。この単価は1日(8時間)当たりの日割基礎単価であり、時間外・休日・深夜の割増賃金や、業務管理費〔法定福利費(事業主負担分)・研修訓練等に要する費用等〕及び一般管理費等の諸経費は含まれていません。全国平均は国の積算に用いる参考単価の数値であるため、地域別の個別契約や民間の価格へ置き換えません(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」の留意事項2・3、確認日2026-09-11)。
10地区・3職種の早見表
資料は全国10地区ごとに、保全技師等、清掃員、警備員の3職種を設定しています。この記事では地区別や区分別の個別金額を新たな目安として示さず、資料の対象と全国平均の位置付けを確認します。異なる地区や職種の数値を、民間見積と同じ表で比較することはしません。
| 確認する項目 | 資料での位置付け | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 対象 | 国の建築物等の保全業務 | 民間の取引相場に置き換えない |
| 地区 | 全国10地区 | 地区別の数値を個別契約へそのまま使わない |
| 職種 | 保全技師等、清掃員、警備員の3職種 | 職種の違う単価を同一の業務条件として扱わない |
| 警備員の全国平均 | 令和8年度は17,040円(1日〈8時間〉当たりの日割基礎単価・割増賃金や諸経費を含まない) | 国の積算用参考単価として読む |
| 単価に含まれない費用 | 時間外・休日・深夜の割増賃金/業務管理費・一般管理費等の諸経費 | 見積総額と同じ層の金額として比べない |
表の17,040円は、令和8年度の警備員の全国平均です。金額は1日(8時間)当たりの日割基礎単価で、割増賃金や、業務管理費・一般管理費等の諸経費は含みません(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」の留意事項2・3、確認日2026-09-11)。数値を使う場合は、年度、対象、出典を近接して示すことで、参考単価の用途を取り違えにくくなります。

公表された参考単価の読み方
公表された参考単価は、年度、対象、職種、区分を分けて読みます。令和8年度の警備員の全国平均と、警備員A・B・Cの区分は、国の積算資料における情報です。

令和8年度の警備員全国平均を読む
令和8年度の警備員の全国平均は17,040円です。この金額は1日(8時間)当たりの日割基礎単価であり、時間外・休日・深夜の割増賃金も、業務管理費・一般管理費等の諸経費も含まれていません。これは国土交通省が示す国の積算に用いる参考単価であり、民間の個別取引価格ではありません(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」の留意事項2・3、確認日2026-09-11)。
同資料の留意事項1では、この単価が官庁施設の保全業務に係る費用のうち直接人件費を積算するための参考単価と示されています。見積の総額は、この単価に物品費や業務管理費、一般管理費等を積み上げた後の金額であるため、単価と総額は別の層の数値として扱います。
全国平均を読むときは、地域、対象施設、警備の内容、契約の範囲を省略しないことが重要です。ある数値があるからといって、自社の施設警備の見積が同じ水準になるとは限りません。見積の検討では、単価の出所と、各契約の条件を別の欄に置きます。
警備員A・B・Cの区分を読む
警備員Aは、施設警備1級の検定資格を有する者、または高度な技術力、判断力、作業の指導等の総合的な技能を有し、実務経験6年以上程度の者とされています。警備員Bは、施設警備2級の検定資格を有する者、または作業内容の判断ができる技術力と必要な技能を有し、実務経験3年以上6年未満程度の者です(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」、確認日2026-09-11)。
警備員Cは、警備員Aまたは警備員Bの指示に従って作業を行う能力を有し、実務経験3年未満程度の者とされています。これらは国の参考単価における区分であり、個別施設での配置義務そのものを示すものではありません。資格要件を確認する際は、見積条件と、必要に応じて発注仕様に置く条件を分けて扱います(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」、確認日2026-09-11)。

民間見積での使い方
民間見積では、建築保全業務労務単価をそのまま価格基準として使うのではなく、参考単価の位置付けを理解した上で、業務条件を確認します。比較の中心は、見積に含まれる人数、時間帯、担当業務、資格要件などです。

民間相場と混同しない理由
建築保全業務労務単価は、国の建築物等の保全業務を委託する際に使う参考単価です。民間の施設警備の相場や、個別の取引価格そのものではありません。単価の用途が違うため、民間見積の総額と横並びにして、価格の高低を判断する根拠にはしません(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」、確認日2026-09-11)。
費用を考える際の前提は、施設警備の費用相場の考え方で確認できます。公表資料の数値を使うときは、年度、対象、国の積算用参考単価であることを明記し、民間の見積条件とは別に記録してください。
資格要件と見積条件を分けて確認する
資格要件と見積条件は、同じ欄にまとめずに確認します。警備員A・B・Cは国の参考単価における区分であり、見積の内容は対象施設、人数、時間帯、担当業務などの条件と合わせて確認します。資格要件を仕様に入れるかどうかも、発注者がどの業務条件を求めるかを整理して判断します。
施設警備以外の業務区分では、契約前書面の記載事項が異なります。人数や担当業務などの項目を比較表に使うときは、他の業務区分へ同じ項目をそのまま当てはめず、該当する書面を確認してください(出典:警備業法施行規則(昭和58年総理府令第1号)第33条、確認日2026-09-05)。
条件をそろえる方法は警備の相見積もりを同じ条件で取る手順、費目の役割は警備見積の内訳の見方で確認できます。仕様を整える際は施設警備委託の仕様を決める方法も参照し、単価、費目、業務条件を別々に記録してください。
まとめ
建築保全業務労務単価は、官庁施設の積算に使う参考単価です。令和8年度の警備員の全国平均17,040円と、警備員A・B・Cの区分は、年度と対象を明示して読みます。全国平均は1日(8時間)当たりの日割基礎単価で、割増賃金や、業務管理費・一般管理費等の諸経費を含まない金額です(建築保全業務労務単価の留意事項2・3)。民間見積では、参考単価を価格の結論に使うのではなく、人数、時間帯、担当業務、資格要件をそろえて確認してください。
費目と条件を分けて読むことが、参考単価の位置付けを取り違えないための第一歩です。掲載情報の基準は情報の収録基準と運営方針で確認できます。掲載内容の訂正やご意見はお問い合わせからお寄せください。
よくある質問
- Q. 警備員の全国平均はいくらか
- 令和8年度の国の積算に用いる参考単価における警備員の全国平均は17,040円です。この単価は1日(8時間)当たりの日割基礎単価で、割増賃金や、業務管理費・一般管理費等の諸経費は含まれていません。国の建築物等の保全業務を委託する際の参考単価であり、民間の個別取引価格を示すものではないため、年度と出所を確認した上で読みます(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」の留意事項2・3、確認日2026-09-11)。
- Q. 警備員A・B・Cは何を示すか
- 警備員A・B・Cは、国の参考単価における区分です。警備員Aは施設警備1級の検定資格または実務経験6年以上程度など、警備員Bは施設警備2級の検定資格または実務経験3年以上6年未満程度など、警備員Cは実務経験3年未満程度などの定義が示されています。配置義務そのものを示す区分ではありません(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」、確認日2026-09-11)。
- Q. この金額を民間見積の基準にできるか
- この金額は、官庁施設の積算に用いる参考単価であり、民間の取引価格そのものではありません。民間見積を比較する際は、対象施設、人数、時間帯、担当業務、資格要件などを同じ前提で確認します。国の参考単価を民間の相場や個別価格へ置き換えず、資料の用途を分けて扱ってください(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」、確認日2026-09-11)。
出典
- 1.国土交通省『令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について』(mlit.go.jp)
- 2.警備業法(昭和47年法律第117号)(laws.e-gov.go.jp)
- 3.警備業法施行規則(昭和58年総理府令第1号)(laws.e-gov.go.jp)