施設警備の検定は必要か|発注者が知る配置基準と仕様の考え方
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
一般のオフィスビル・商業施設・工場の施設警備(警備業法第2条第1項第1号の警備業務のうち、警備業務用機械装置を使用しないもの。以下「施設警備」)には、検定合格警備員の配置を義務づける規定はありません。一般施設で資格要件をどう扱うかは、法定配置の有無と、発注者が任意に定める仕様を分けて考えます。施設警備以外の警備業務区分では契約前書面の記載事項が異なるため、施設警備の説明を他の区分へそのまま当てはめません。
警備業務を実施するのは認定を受けた警備業者であり、当サイトは比較・情報提供を行います。発注者は、資格を一律に要らないものと扱うのではなく、施設の条件や求める業務内容を踏まえ、必要な要件を仕様として整理します。
施設警備の検定と配置基準とは
検定は、特定の種別の警備業務について、合格証明書を受けた警備員に実施させる仕組みです。警備業法(昭和47年法律第117号)第18条・第23条 の最終改正施行日は2025-06-01で、警備員等の検定等に関する規則(平成17年国家公安委員会規則第20号)第1条・第2条・第4条 の最終改正施行日は2024-06-27です(確認日2026-09-05)。配置が義務づけられる場面は、検定規則第2条の表に定められた範囲に限られます。

検定の種別と級の早見表
検定規則第1条は、空港保安、施設、雑踏、交通誘導、核燃料物質等危険物運搬、貴重品運搬の6種別を定めています。検定は各種別ごとに1級と2級に区分され、同じ「警備」という言葉だけで資格の要否を判断できる仕組みではありません。発注者が施設警備を検討する際は、種別と法定配置の対象を混同しないことが出発点です。
| 確認する観点 | 法令上の位置づけ | 発注者が分けて考えること |
|---|---|---|
| 検定の種別 | 6種別に区分される | 予定する業務の種別 |
| 検定の級 | 種別ごとに1級・2級 | 要件として求めるか |
| 配置基準 | 第2条の表の対象に限る | 一般施設か対象施設か |
検定の名称や級は、個人や会社を評価するための表示ではありません。法令の対象範囲を確かめたうえで、必要なら資格要件を発注仕様に加えるという順番で扱います。根拠は 警備員等の検定等に関する規則第1条・第4条 です(確認日2026-09-05)。

施設警備で法定配置の対象となる場面
施設警備で検定合格警備員の配置が法定されるのは、検定規則第2条の表にある場面です。一般のオフィスビル、商業施設、工場が施設警備という通称で呼ばれることと、配置基準の対象になることは別の問題です。発注担当者は、施設の用途名だけで結論を出さず、対象となる場面を法令の表で確認します。
この区別は、一般施設に資格者を置けないという意味ではありません。法定配置の対象外であっても、業務の内容や発注条件に応じて、資格に関する要件を任意に定めることはできます。認定情報も併せて確認したい場合は、警備業の認定を確認する方法 を参照してください。
一般施設の発注者が確認すること
一般施設の発注者が確認することは、法定配置の対象外である点を理解したうえで、どのような技能や経験を仕様に求めるかを整理することです。検定規則の配置基準は、一般施設の発注仕様を一律に決めるものではありません。比較の前に、施設内で求める業務、時間帯、連絡方法などの条件を明らかにします。

一般施設に義務づけ規定がない意味
一般のオフィスビル、商業施設、工場の施設警備には、検定規則第2条の表による配置義務はありません。このことは、発注者が資格に関する条件を設定してはならないという意味でも、資格を全く考慮しなくてよいという意味でもありません。法定配置の基準と、任意の発注条件を別の欄で管理することが重要です。
たとえば、発注側で技能や経験を確認したい場合は、予定する担当業務と結び付けて質問事項を作ります。会社名やサービス名による評価ではなく、書面上で確認したい条件として整理すれば、複数の候補を同じ視点で比べられます。警備会社の選び方 では、比較条件の整え方を解説しています。
資格要件を任意の仕様にする考え方
任意の資格要件は、法定配置と異なり、発注者が業務内容に応じて検討する条件です。国土交通省の令和8年度の建築保全業務労務単価では、警備員Aは施設警備1級の検定資格またはおおむね6年以上の実務経験、警備員Bは施設警備2級の検定資格またはおおむね3年以上6年未満の実務経験を区分の目安としています(出典:国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」、確認日2026-09-05)。
この区分は国の建築保全業務の積算に用いる参考単価の説明であり、一般施設における法定配置の基準ではありません。資格や経験を仕様に入れる場合は、何の業務について、どの条件を確認するかを明記します。発注条件の言語化は、施設警備委託の仕様を決める方法 と照らし合わせると進めやすくなります。
法定配置と任意の仕様を分ける
法定配置と任意の仕様を分けるとは、検定規則第2条の表が定める範囲を、発注者側の希望条件と混ぜないことです。法令上の対象は 警備業法第18条 と 警備員等の検定等に関する規則第2条 で確認できます(法の最終改正施行日2025-06-01、検定規則の最終改正施行日2024-06-27、確認日2026-09-05)。この区別を先に置くと、比較表に法定条件と任意条件を並べて記録できます。

法定配置の対象になる2種類の施設
施設警備について、検定規則第2条の表で配置義務の対象になるのは、防護対象特定核燃料物質取扱施設に係るものと、空港に係るものの2種類です。それぞれの対象では、同表が定める検定合格警備員を配置する基準があります。一般のオフィスビル、商業施設、工場は、この2種類の施設と同じに扱いません。
発注者が一般施設の条件を決めるときは、法定配置の対象かどうかを確認した後で、任意に確認したい技能や経験を仕様へ整理します。費用と資格を同じ基準で扱わないためには、国の参考単価と民間の取引条件を分けて読むことも必要です。施設警備の費用相場の考え方 では、参考単価の位置づけを説明しています。
対象となる2種類の施設の名称に似た言葉が施設の案内や見積書に含まれていても、それだけで該当するとは限りません。発注者は、実施する警備業務と法令上の対象を分けて確認し、個別の該当判断が必要なときは所管の窓口や専門家に確認することができます。
まとめ
一般の施設警備では、検定規則の法定配置と発注者が任意に設ける仕様を分けることが基本です。対象となる2種類の施設を確認したうえで、一般施設では業務内容に応じた条件を整理すると、比較の前提をそろえられます。掲載内容の訂正や意見は、お問い合わせ からお寄せください。
法定配置の有無と任意の仕様を別の欄に残せば、見積や説明を読み直す場面でも確認の目的を見失いません。
よくある質問
- Q. 一般の施設で検定合格警備員の配置は必須か
- 施設警備で検定合格警備員の配置義務の対象となるのは、防護対象特定核燃料物質取扱施設に係るものと空港に係るものです。一般のオフィスビル、商業施設、工場の施設警備には、検定規則第2条の表による配置義務はありません。出典は 警備員等の検定等に関する規則(平成17年国家公安委員会規則第20号)第2条 です(確認日2026-09-05)。 法定配置かどうかを確認する際は、施設の呼び方だけで判断せず、検定規則第2条の対象に当たるかを分けて見ます。個別の該当判断が必要なときは、所管の窓口や専門家へ確認する余地を残します。
- Q. 資格者を配置しなくてよいのか
- 一般施設に法定配置義務がないことは、資格者が不要という意味ではありません。発注者は、担当業務や施設の条件を踏まえ、資格や経験に関する要件を任意に仕様へ加えることができます。法定配置の範囲は 警備員等の検定等に関する規則第2条、積算上の区分の例は 国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」 で確認できます(確認日2026-09-05)。 資格や経験の条件を仕様に置くときは、対象となる担当業務との対応を明確にします。任意の条件と法定配置を同じ欄に混ぜないことが、説明を読み違えないための基本です。
- Q. 検定は何級に分かれるか
- 検定は、種別ごとに1級と2級に区分されます。級の区分があることと、一般施設で法定配置が必要であることは別です。発注者は予定する業務に関係する条件を確認し、法定配置の対象外では任意の仕様として扱います(出典:警備員等の検定等に関する規則(平成17年国家公安委員会規則第20号)第4条、確認日2026-09-05)。
出典
- 1.警備業法(昭和47年法律第117号)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.警備員等の検定等に関する規則(平成17年国家公安委員会規則第20号)(laws.e-gov.go.jp)
- 3.国土交通省「令和8年4月から適用する建築保全業務労務単価について」(mlit.go.jp)